4年前、90歳を超えた両親の介護の為、東京での単身赴任生活に別れを告げ、定年前に帰郷した。仕事人間で家族を顧みなかった自分が少しでも故郷のお役に立てればと想い、様々な人との出会いを通じて、船引フォーラムを立ち上げた。
介護保険が制度化され22年経っても、まだまだ介護は家族の問題と捉えられ、制度はあっても、機能しているとは言い難い。お腹が痛いとか、熱があるとかで、医者通いしていても、様々な理由で今まで仲間と一緒に過ごす事ができなくなっても、介護保険サービスを使おうとはしない。いや、使おうと思っても、どこに相談に行けばいいのかすら、わからない人が多いのが現実だ。
仕事を続けながら、ケアマネージャーに相談し、サービス利用手続きの契約などをするにはかなりの時間が必要となる。介護休業制度はあっても、その使い方すら分からないし、使うのを躊躇っている場合が多い。事実、私自身も介護休業は使わなかった。
介護の為、離職した私だからこそ、「親の介護の為に仕事を辞めることは絶対にしないで欲しい」と切に願っている。家族として、親を気遣うことは必要だが、遠方にいる親の為に多くの時間を割くのは大変な負担だ。だからこそ、親が介護状態になっても、気軽に通える居場所や仲間づくりが喫緊の課題と考える。
そういう想いで、船引フォーラムのサロン活動や成年後見人としての活動を今日も続けている。ありがたいことに、今年96歳と94歳になる両親は、デイサービスや訪問リハビリ等を上手に活用して、二人だけで元気に住み慣れた家で暮らし続けている。
満開の桜を愛でながら、「一人でも多くの方が、ここで暮らし続けられるよう」仲間と一緒に支援し続けたいと思った。
